『アメリカ研究』第58号「自由投稿論文」募集のお知らせ
2023.04.24 年報アメリカ研究
学会機関誌『アメリカ研究』(年報)は2024年3月に第58号を刊行する予定です。会員諸氏の積極的な投稿をお待ちしています。
1. 内 容 アメリカ研究に関する未発表論文。前年度『アメリカ研究』もしくは『英文ジャーナル』に論文が掲載された方は,本年度の投稿をご遠慮ください。また,同じ年度に,あるいは年度をまたいで『アメリカ研究』と『英文ジャーナル』の双方に投稿することはできません。これはなるべく多くの会員に発表の機会を提供するためです。
2. 枚 数 論文は33 字×34 行のレイアウトで19 ページ以内(註を含む)。
執筆要項は学会ウェブサイト を参照のこと。
3. 原稿締め切り 2023 年8 月31 日(水)
4. 提 出 電子メールで年報編集委員会宛て(nenpo[AT]jaas.gr.jp([AT]を@に換えてください))にお送りください。
*投稿希望者は,論文題目を2023 年6 月末日までに電子メールで,年報編集委員会宛て(nenpo[AT]jaas.gr.jp([AT]を@に換えてください))にお申込みください。
『アメリカ研究』第58号「特集論文」募集のお知らせ
2023.04.24 年報アメリカ研究
『アメリカ研究』第58号の特集テーマは,「アメリカと権威主義」です。趣意は以下の通りです。
2021年に発足したバイデン政権は,世界を,米国を中心とする「民主主義国家」と「権威主義国家」との戦いの場と位置づけ,民主主義や人権を蹂躙する後者の代表格として中国やロシアを批判してきた。この二元的な世界認識は,2022年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻して以降,ますます強化されている。
しかし,中露の「権威主義」を批判するアメリカの民主主義そのものが危機的な状況にある。2020年大統領選に敗北したドナルド・トランプが選挙結果に執拗に疑義を呈したことは,以後の米国の政治社会に大きな影を落としてきた。この大統領選で大規模な不正があったと考える米国民は3分の1,共和党支持者になると7割超に及ぶ。2021年1月には,トランプの「不正選挙」の訴えに促された暴徒たちが連邦議会議事堂を襲撃するという前代未聞の出来事が起こった。
二大政党の1つである共和党の権威主義化も懸念される。世界の民主主義に関する研究で知られるV-Dem研究所の調査によれば,過去20年間で非自由主義的な性質を顕著に示すようになった共和党は,今やヨーロッパの中道右派勢力よりも,トルコのエルドアン政権やハンガリーのオルバン政権のような権威主義国家の与党に近いという。
そもそも,血筋や宗教や軍事的権威ではなく法に統治の新たなよりどころを求めたアメリカは,権威を笠に言論の自由を統制することを何よりも忌避してきたはずである。しかし,学問の権威さえ無力化しようとする反知性主義の強化や,IT革命に伴う不確かな情報の氾濫や陰謀論の拡散が示すとおり,アメリカの知性は危機に瀕している。内外にはびこる権威主義に誘発された昨今のディストピア的状況は,この国が社会や文化の諸領域に埋め込んできた「権威主義の暴走を抑止するメカニズム」とその機能不全を歴史的に再検証する必要性を提起している。
次号の特集では標記のテーマのもと,政治外交,歴史,文化,文学,社会,経済の視点からアメリカの民主主義の危機を掘り下げる論考を募集する。
*「特集論文」に応募希望の会員は,2023年6月末日までに,氏名・所属・論文題目および構想・資料などの説明(400字程度)を電子メールで,年報編集委員会宛て(nenpo[AT]jaas.gr.jp([AT]を@に換えてください)にお申し込み下さい。その際のタイトルは「『アメリカ研究』特集応募」と明記してください。執筆要項は学会ウェブサイト を参照のこと。原稿締め切りは2023 年8 月31 日(木)とします。
年報編集委員会
第56号(2022年4月) 疫病/公衆衛生
2022.04.01 年報アメリカ研究
座談会 |
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「Is America Back?:アメリカの覇権の現在」 |
(1) |
特集論文「疫病/公衆衛生」 |
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人間機械論と公衆衛生の定義―革新主義期アメリカにおけるC.-E. A. ウィンズローと人間工学運動― |
上野継義(29) |
公衆衛生の担い手―ロックフェラー財団国際保健部と農村部公衆衛生1900‒1932 |
平体由美(49) |
植民地期フィリピンにおける保健衛生事業と赤十字人道主義 |
牧田義也(69) |
比喩との抗い―ジャック・ロンドンの癩病表象 |
高野泰志(93) |
濫喩としての感染―アメリカ文学思想史の視点から― |
巽孝之(113) |
英雄的医療時代の不機嫌なロマンス作家―ジェイムズ・フェニモア・クーパーとアンテベラム期の医療言説 |
林以知郎(135) |
自由論文 |
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20世紀はじめの米国の社会改革運動と国際女性平和運動―エミリー・グリーン・ボルチの民族,国家,国際協調の思想を中心に |
一政史織(157) |
善き生の回復を求めて―ラルフ・アダムズ・クラムの教会建築論に見る革新主義期アメリカに抗するアングロ・カトリシズムの想像力 |
佐々木一惠(177) |
長文書評 |
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書評:志田淳二郎『米国の冷戦終結外交̶ジョージ・H・W・ブッシュ政権とドイツ統一』(有信堂高文社,2020年) |
村田晃嗣(197) |
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第55号(2021年4月) 特集 貧困
2021.04.14 年報アメリカ研究
座談会 |
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「Black Lives Matter運動から見るアメリカの人種問題の現在と過去」 |
(1) |
特集論文「貧困」 |
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米国における低所得層向け消費者信用市場の再創出 |
大橋陽(31) |
「通りで物乞いをする黒人を見かけることはほとんどありません」―20世紀前半のボストンにおける貧困と人種― |
大森一輝(55) |
全米福祉権団体の解体―体系的人種主義,ジェンダー,反福祉のイデオロギー |
土屋和代(75) |
人間の尊厳と二つの貧困――カーヴァー,スタインベック,コールドウェル |
山辺省太(97) |
自由論文 |
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動物たちのカラーブラインド・キャスティングミュージカル『ライオンキング』におけるジュリー・テイモアの表象戦略 |
武田寿恵(121) |
トランプ大統領を巡る労組の分断―ビジネス・ユニオニズムからの転換とジレンマ― |
冨田晃正(141) |
テキサスとアジアの境界地―ローランド・ヒノホサ『コリアン・ラブソング』と『役立たずのしもべ達』における人種・民族的アイデンティティの交錯― |
松田卓也(167) |
長文書評 |
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Ai HISANO, Visualizing Taste:How Business Changed the Look of What You Eat |
鈴木透(189) |
FURUI, Yoshiaki. Modernizing Solitude: The Networked Individual in Nineteenth-Century American Literature |
髙尾直知(195) |
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第54号(2020年4月) 特集 メディアと情報
2020.04.14 年報アメリカ研究
座談会 |
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「トランプと移民問題」 |
(1) |
特集「メディアと情報」 |
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第一次大覚醒運動と18世紀印刷文化―メソジストと人種― |
増井志津代(21) |
活字メディアとしての『ドメスティック・エコノミー論』 |
石塚則子(45) |
VOA「フォーラム」と科学技術広報外交―冷戦ラジオはアメリカの科学をどう伝えたかー |
土屋由香(67) |
保守主義運動と政治献金革命:1964年大統領選挙におけるダイレクトメール戦略 |
森山貴仁(89) |
アメリカにおけるテレビ・ディベートの開拓と終焉?-Firing Lineの遺産をめぐる再考― |
渡辺将人(113) |
ソーシャルメディアが変えるアメリカ政治:選挙と政策運営に注目して |
前嶋和弘(137) |
新聞4コマ漫画が描くアメリカ大統領 日本のマス・メディアに見るドナルド・トランプ像に関する一分析 |
水野剛也(159) |
自由論文 |
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「客間」と「書斎」-空間表象に見るエマソンの家政学 |
冨塚亮平(187) |
冷戦期アメリカの先住民政策と土地問題―インディアン請求委員会とウェスタン・ショショーニ |
内田綾子(209) |
書評 |
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Hideaki Kami著 『Diplomacy Meets Migration : U.S. Relations with Cuba during the Cold War』 |
上村直樹(231) |
第53回年次大会報告 |
-239 |
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第53号(2019年4月) 特集 ヨーロッパとアメリカ
2019.04.14 年報アメリカ研究
座談会 |
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「トランスジェンダーの現在」 |
(1) |
特集 「ヨーロッパとアメリカ」 |
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ジョン・アダムズの混合政体論における近世と近代 |
石川敬史(35) |
19世紀中葉のアメリカ合衆国におけるドイツ系移民再考―フォーティエイターズとターナーズを中心にー |
田中きく代(59) |
ヨーロッパを/から読み直すルイザ・メイ・オルコット |
田辺千景(77) |
ヨーロッパ知識人がみた知と権力―ハンス・J・モーゲンソーとスタンリー・ホフマンのアメリカ知識人批判― |
三牧聖子(99) |
ヘミングウェイとパリ前衛―建築的散文、空間芸術、間身体性― |
小笠原亜衣(119) |
アメリカによる西ヨーロッパ域内貿易の自由化政策と西ドイツの役割―西独・仏貿易協定(1950年)を中心にー |
河﨑信樹(147) |
自由論文 |
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産声を記録せよ:アメリカ合衆国における出生登録制度 |
大鳥由香子(168) |
冷戦政治文化の変容とイスラエル認識―1960年代後半から1970年前半における連邦議会の冷静改革はに着目して |
佐藤雅哉(191) |
書評 |
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笠井俊和著 『船乗りがつなぐ大西洋世界 英領植民地ボストンの船員と貿易の社会史』 |
橋川健竜(213) |
第52回年次大会報告 |
-219 |
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第52号(2018年5月) 特集 エリートの『知』 / 民衆の『知』
2018.05.14 年報アメリカ研究
座談会 |
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「トランプ政権下のアメリカ合衆国」 |
(1) |
特集 エリートの『知』 / 民衆の『知』 |
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ジェームズ・バーナム思想とトランプ現象 エリートと民衆の反動的交叉 |
会田弘継(41) |
ドナルド・トランプに先駆けた男 ―サミュエル・T・フランシスのペイリオ・コンサーヴァティズム― |
井上弘貴(63) |
「内なる反知性主義」 ―1968年コロンビア大学ストライキと知識人― |
梅崎透(87) |
1952年大統領選挙と政治コンサルタントの台頭 |
森山貴仁(111) |
自由論文 |
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「彼のためにろうそくを」 ―ヘンリー・ジェイムズ「死者たちの祭壇」におけるアメリカ金融資本主義、親密圏、許し― |
松浦恵美(135) |
包摂と分裂のカリキュラム ―-ニューヨーク州教育改革と多文化主義論争― |
南川文里(157) |
第一次大戦と語り手フレデリックの「学び」 ―『武器よさらば』に見る同盟・共闘 |
柳沢秀郎(179) |
書評 |
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小野沢透著『幻の同盟―冷戦初期アメリカの中東政策』 |
小濵祥子(201) |
第51回年次大会報告 |
-207 |
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第51号(2017年3月) 特集 ゆらぐアメリカの自画像
2017.03.14 年報アメリカ研究
特集 ゆらぐアメリカの自画像 |
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新大陸における「帝国」の残滓──1812年戦争期の「親英勢力」とアメリカの自画像── |
遠藤寛文(1) |
愛国心,男らしさ,米西戦争をめぐる黒人知識人の言説──サットン・E・グリッグスの描く国家/地域/自画像── |
奥田暁代(21) |
オバマ政権の介入政策における「アメリカ例外主義」──不安定な世界におけるアメリカの自画像の再構築── |
草野大希(45) |
「欧州国家」アメリカの自画像──冷戦終結期の米欧関係とG・H・W・ブッシュ外交の基調── |
志田淳二郎(67) |
「アメリカの過去」と歴史叙述のグローバル化──アメリカ史研究の現在── |
中野耕太郎(91) |
揺れ動くアメリカの市民像──リチャード・ホフスタッターとヘンリ・アダムズの歴史観をめぐって── |
中野博文(117) |
国民文学創生と文化的覇権闘争──セジウィックの 『リンウッド家』における建国の地政学── |
若林麻希子(139) |
自由論文 |
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愛国の響き──ティモシー・ドワイトの詩『グリーンフィールド・ヒル』(1794年) 第四部 「ピークォッド族の壊滅」を読む── |
小泉由美子(161) |
「イクメン」の誕生と新自由主義──20世紀後半アメリカにおける白人中流階級の父親の表象について── |
関口洋平(183) |
伝記テクストにおける女性市民の形成──セアラ・ヘイル 『女性の記録』 の家庭的歴史の語り── |
増田久美子(205) |
書評 |
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南修平著『アメリカを創る男たち──ニューヨーク建設労働者の生活世界と「愛国主義」』 |
横山良(229) |
第50回年次大会報告 |
-235 |
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第50号(2016年3月) 特集 占拠・占領・支配
2016.03.14 年報アメリカ研究
特集 占拠・占領・支配 |
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環太平洋帝国アメリカにおける統治権力と移動の権利──フィリピン系住民のハワイ市民権認定を事例として── |
岡田泰平(1) |
文化の占領とアメリカ文学研究 |
越智博美(21) |
アメリカの日本占領と民主化の言論──戦前の門閥政治体制の解体と岩淵辰雄── |
福島啓之(45) |
占領期日本の文学空間における連続と非連続──雑誌メディアにおけるアメリカ言説を中心に── |
井上健(67) |
部族主権の記憶と合衆国史へ反駁 ノーザン・シャイアンの史跡化営為 |
川浦佐知子(87) |
自由論文 |
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アジア系アメリカ人の対日戦争謝罪・補償要求運動の形成過程──アイデンティティの変容とアクティヴィズムの系譜── |
大八木豪(107) |
アメリカの対キューバ国交正常化交渉開始の契機──大統領,国内政治,国際システムとその認識── |
松本明日香(129) |
冷たい戦争と魂の危機──大衆伝道者ビリー・グラハムの見た共産主義,自由,原罪── |
相川裕亮(149) |
書評 |
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Kazuyo Tsuchiya, Reinventing Citizenship: Black Los Angeles, Korean Kawasaki, and Community Participation |
川島正樹(167) |
三牧聖子著『戦争違法化の時代──「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』 |
篠原初枝(175) |
第49回年次大会報告 |
-181 |
英文要約 |
-199 |
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第49号(2015年3月) 特集 モンロー・ドクトリン再考
2015.03.14 年報アメリカ研究
特集 モンロー・ドクトリン再考 |
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アメリカン・システムのマニフェスト──ヨーロッパ公法秩序とモンロー・ドクトリン── |
金井光太朗(1) |
宣言なき再定義──フランクリン・ローズヴェルト政権とモンロー・ドクトリン── |
奥広啓太(21) |
モンロー主義とアメリカの介入政策──単独主義と多角主義の淵源となった外交理念のダイナミクス── |
草野大希(41) |
モンロー・ドクトリン, アジア・モンロー主義と日米の国際秩序観──戦前・戦中期における日本のモンロー・ドクトリン論を手掛かりに── |
中嶋啓雄(61) |
ラテンアメリカの影──1980年代小説と半球思考── |
渡邉真理子(81) |
アフリカ系アメリカ文学の地理的想像力──モンロー・ドクトリンの終焉── |
竹谷悦子(99) |
研究論文 |
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個人から共同体の弔いへ──「ロジャー・マルヴィンの埋葬」における未完の埋葬── |
小宮山真美子(119) |
「共和国の母」から「慈悲深き帝国」時代の女性たちへ──二つの版の『ノースウッド』にみるセアラ・ヘイルの思想的変遷と「慈善」── |
増田久美子(135) |
「魔法群島」が見張る太平洋──逆転する地獄と楽園の遺物── |
大武佑(157) |
憲法の開放・奴隷の解放──フレデリック・ダグラスの合衆国憲法── |
権田建二(177) |
アフリカにおける家庭づくり──オサ・ジョンソンと1920年代の合衆国── |
長谷川詩織(197) |
祈るゴリラと核戦争後の世界──バーナード・マラマッド『神の恩寵』 の未来表象── |
羽村貴史(217) |
書評 |
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橋川健竜著 『農村型事業とアメリカ資本主義の胎動──共和国初期の経済ネットワークと都市近郊』 |
柳生智子(239) |
第48回年次大会報告 |
-245 |
英文要約 |
-263 |
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