『アメリカ研究』第60号「自由投稿論文」募集のお知らせ
2025.04.22 お知らせ,年報アメリカ研究,新着情報,年報・ジャーナル
学会機関誌『アメリカ研究』(年報)は2026年3月に第60号を刊行する予定です。会員諸氏の積極的な投稿をお待ちしております。
1. 内 容
アメリカ研究に関する未発表論文。前年度『アメリカ研究』もしくは『英文ジャーナル』に論文が掲載された方は,本年度の投稿をご遠慮ください。また,同じ年度に,あるいは年度をまたいで『アメリカ研究』と『英文ジャーナル』の双方に投稿することはできません。これはなるべく多くの会員に発表の機会を提供するためです。
2. 枚 数
論文は33字×34行のレイアウトで19ページ以内(註を含む)。
執筆要項は学会ホームページを参照のこと。
3. 原稿締め切り 2025年8月31日(日)
4. 提 出
投稿希望者は2025年6月末日までに,学会ホームページの「お問い合わせ・応募」フォームより年報編集委員会宛に「論文題目」をお送りください。論文原稿は電子ファイルによる提出となります。
年報編集委員会
『アメリカ研究』第60号「特集論文」募集のお知らせ
2025.04.22 お知らせ,年報アメリカ研究,新着情報,年報・ジャーナル
『アメリカ研究』第60号の特集テーマは,「ローカル・アメリカ」です。趣意は以下の通りです。
ローカルという言葉は多義的である。一般的に流通している意味としては,特定の場所あるいは限られた範囲の地域という地理的概念であろう。アメリカ研究でローカルとは何かを考えれば,そうした一定のエリアに住む人びともまたローカルと称される。その人たちはそこに住む地元人というだけでなく,その地で育まれた生活世界に生きる人びとである。そして,その世界には独特な制度や習慣,精神文化が存在しており,それはまたこれらローカルな人びとが所有し,この人たちを特徴づけるものでもある。ローカルという言葉はその地に根差す独自の組織を指す場合もある。政治に目を向ければ,ローカルは正式な政治用語として使用されている。州によって違いはあるものの,それを構成する郡やさらに小さな単位としての自治体はローカルとして位置付けられる。地元の政治家や政治組織を形容する場合にもローカルが用いられる。また,労働組合の支部もローカルと呼ばれる。日本の全国紙のような存在がない新聞をはじめとしたメディアではローカルな媒体が果たす役割とその影響力は非常に大きい。
こうしたことから,ローカルは単に地理的範囲を限定する概念としてではなく,その地に独特な根拠―それは政治経済的な権益や人的関係だけでなく風土や精神文化も含む―を有しているものを包含していることが分かる。多義的な意味を持つローカルを視点に据えてアメリカを眺め直すと,どのようなアメリカが浮かび上がってくるだろうか。大統領が選ばれるまでの過程においてローカル・ポリティクスの持つ重要性は言うまでもない。全国遊説のキャンペーンではその地に応じたアピールやロジックが用いられ,演出が施される。それは取りも直さず,アメリカの津々浦々にローカルな地に生き,その地で人生を全うする人びとが少なからず存在していることを意味している。経済的な面でもローカルな地の生活を支えるための方策や産業の存在が持つ意味は非常に大きいだろう。ローカルとしての労働組合はまさにその関係の中において存在意義を持っている。ローカル・メディアはそのような中に生きる人びとの動向を伝え,その地の人びとはそれらが発信する情報を共有するのである。歴史研究ではローカルな地に生きる人びとやそこで築かれる人種やジェンダーなどの関係への関心が向けられてきた。文学でもローカルな地に存在する独特の世界と精神文化,そこに生きる人びとの在り方がさかんに描かれてきた。
次号の特集では「ローカル・アメリカ」をテーマとして,そこから抽出されるさまざまなアメリカの側面を検証する。多方面からの投稿を期待したい。
「特集論文」に応募希望の会員は,2025年6月末日までに,氏名・所属・論文題目および構想・資料などの説明(400字程度)を学会ホームページの「お問い合わせ・応募」フォームより年報編集委員会宛にお申し込み下さい。その際,上記フォームの「お問い合わせ内容」欄に「『アメリカ研究』特集応募」と明記してください。
執筆要項は学会ウェブサイトを参照のこと。
原稿締め切りは2025年8月31日(日)とします。
年報編集委員会
第58号 アメリカと権威主義
2024.04.29 年報アメリカ研究
座談会 |
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「アファーマティブ・アクションとアメリカの「分断」」 |
(1) |
特集論文「アメリカと権威主義」 |
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寄留者と国家―ジム・ウォリスの預言者的政治とその射程 |
相川裕亮(35) |
アメリカ政治における自由と参加―民主化後の政治代表 |
平松彩子(57) |
「例外」が構築する「規範」―ハイチ人難民が可視化する「リーガルボーダーランド」 |
村田勝幸(79) |
「麻薬戦争資本主義」と自己否定からはじまる倫理―コーマック・マッカーシー『ノー・カントリー・フォー・オールド・メン』論 |
山口和彦(101) |
アメリカにおける権威主義台頭の経済的背景―産業別雇用と就業構造の分極化, 人口社会動態の考察 |
山縣宏之(123) |
自由論文 |
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欲望する都市からの予見―ジョージ・リッパードのフィラデルフィア人権暴動譚に見る1850年の葛藤 |
細野香里(147) |
稲作と人種―20世紀初頭のアメリカ南部における日本人 |
山中美潮(169) |
長文書評 |
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長史隆『「地球社会」時代の日米関係―「友好的競争」から「同盟」へ1970-1980年』(有志舎, 2022年) |
池田慎太郎(189) |
Yu Tokunaga, Transborder Los Angels: An Unknown Transpacific History of Japanese-Mexican Relations(University of California Press, 2022) |
土屋智子(195) |
Takahito Moriyama, Empire of Direct Mail: How Conservative Marketing Persuaded Voters and Transformed the Grassroots(University Press of Kansas, 2022) |
宮田智之(201) |
Keiko Noguchi, Harriet Beecher Stowe and Antislavery Literature: Another American Renaissance(Sairyusha, 2022) |
山口ヨシ子(207) |
第57回年次大会報告 |
-213 |
アメリカ学会著作権ポリシー・『アメリカ研究』執筆要項 |
-229 |
*このページの著作権は,アメリカ学会に属します。無断転用・掲載はご遠慮下さい。
第57号(2023年4月) 裁くアメリカ/裁かれるアメリカ
2024.04.29 年報アメリカ研究
座談会 |
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「人工妊娠中絶のゆくえ」 |
(1) |
特集論文「裁くアメリカ/裁かれるアメリカ」 |
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記憶のマッカーシズム―リリアン・ヘルマンの『ならず者の時代』 |
相原直美(29) |
陪審制の現在―アメリカ陪審制の二重の「神話」 |
会沢恒(51) |
米国最高裁判決と「人種」―奴隷制廃止と市民権・学校統合と住宅隔離・投票権をめぐる攻防 |
川島正樹(79) |
先住民の保留水利権と「文明化」―合衆国最高裁判決と先住民主権の未来 |
川浦佐知子(105) |
「裁かれたハリウッド」を裁く―アメリカ映画と赤狩りの記憶 |
北村洋(127) |
「罪と美徳の両方の魅力を」―第一次アフリカ艦隊(1843-1845)とリベリア植民地における談判
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髙尾直知(145) |
自由論文 |
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共和国市民の尊厳―L.M. チャイルドの料理本にみる共和主義の味覚 |
今井麻美梨(165) |
UAMsの創出―1907年移民法と「保護者帯同の原則」の法制化 |
大島由香子(185) |
冷戦期におけるアメリカ文化外交―1958年ニューヨーク・シティ・バレエ団の日本公演を一例に |
倉林直子(209) |
長文書評 |
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吉留公太『ドイツ統一とアメリカ外交』(晃洋書房, 2021年) |
菅英輝(231) |
Hiroshi Okayama, Judicializing the Administrative State: The Rise of the Independent Regulatory Commissions in the United States, 1883-1937(Routledge, 2019) |
中野勝郎(237) |
小檜山ルイ『帝国の福音―ルーシィ・ピーボディとアメリカの海外伝道』(東京大学出版会, 2019年) |
石井紀子(245) |
菅(七戸)美弥『アメリカ・センサスと「人種」をめぐる境界―個票にみるマイノリティへの調査実態の歴史』(勁草書房, 2020年)
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櫛田久代(251) |
南川文里『未完の多文化主義―アメリカにおける人種, 国家, 多様性』(東京大学出版会, 2021年) |
前嶋和弘(257) |
第56回年次大会報告 |
-263 |
アメリカ学会著作権ポリシー・『アメリカ研究』執筆要項 |
-289 |
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第56号(2022年4月) 疫病/公衆衛生
2022.04.01 年報アメリカ研究
座談会 |
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「Is America Back?:アメリカの覇権の現在」 |
(1) |
特集論文「疫病/公衆衛生」 |
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人間機械論と公衆衛生の定義―革新主義期アメリカにおけるC.-E. A. ウィンズローと人間工学運動― |
上野継義(29) |
公衆衛生の担い手―ロックフェラー財団国際保健部と農村部公衆衛生1900‒1932 |
平体由美(49) |
植民地期フィリピンにおける保健衛生事業と赤十字人道主義 |
牧田義也(69) |
比喩との抗い―ジャック・ロンドンの癩病表象 |
高野泰志(93) |
濫喩としての感染―アメリカ文学思想史の視点から― |
巽孝之(113) |
英雄的医療時代の不機嫌なロマンス作家―ジェイムズ・フェニモア・クーパーとアンテベラム期の医療言説 |
林以知郎(135) |
自由論文 |
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20世紀はじめの米国の社会改革運動と国際女性平和運動―エミリー・グリーン・ボルチの民族,国家,国際協調の思想を中心に |
一政史織(157) |
善き生の回復を求めて―ラルフ・アダムズ・クラムの教会建築論に見る革新主義期アメリカに抗するアングロ・カトリシズムの想像力 |
佐々木一惠(177) |
長文書評 |
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書評:志田淳二郎『米国の冷戦終結外交̶ジョージ・H・W・ブッシュ政権とドイツ統一』(有信堂高文社,2020年) |
村田晃嗣(197) |
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第55号(2021年4月) 特集 貧困
2021.04.14 年報アメリカ研究
座談会 |
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「Black Lives Matter運動から見るアメリカの人種問題の現在と過去」 |
(1) |
特集論文「貧困」 |
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米国における低所得層向け消費者信用市場の再創出 |
大橋陽(31) |
「通りで物乞いをする黒人を見かけることはほとんどありません」―20世紀前半のボストンにおける貧困と人種― |
大森一輝(55) |
全米福祉権団体の解体―体系的人種主義,ジェンダー,反福祉のイデオロギー |
土屋和代(75) |
人間の尊厳と二つの貧困――カーヴァー,スタインベック,コールドウェル |
山辺省太(97) |
自由論文 |
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動物たちのカラーブラインド・キャスティングミュージカル『ライオンキング』におけるジュリー・テイモアの表象戦略 |
武田寿恵(121) |
トランプ大統領を巡る労組の分断―ビジネス・ユニオニズムからの転換とジレンマ― |
冨田晃正(141) |
テキサスとアジアの境界地―ローランド・ヒノホサ『コリアン・ラブソング』と『役立たずのしもべ達』における人種・民族的アイデンティティの交錯― |
松田卓也(167) |
長文書評 |
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Ai HISANO, Visualizing Taste:How Business Changed the Look of What You Eat |
鈴木透(189) |
FURUI, Yoshiaki. Modernizing Solitude: The Networked Individual in Nineteenth-Century American Literature |
髙尾直知(195) |
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第54号(2020年4月) 特集 メディアと情報
2020.04.14 年報アメリカ研究
座談会 |
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「トランプと移民問題」 |
(1) |
特集「メディアと情報」 |
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第一次大覚醒運動と18世紀印刷文化―メソジストと人種― |
増井志津代(21) |
活字メディアとしての『ドメスティック・エコノミー論』 |
石塚則子(45) |
VOA「フォーラム」と科学技術広報外交―冷戦ラジオはアメリカの科学をどう伝えたかー |
土屋由香(67) |
保守主義運動と政治献金革命:1964年大統領選挙におけるダイレクトメール戦略 |
森山貴仁(89) |
アメリカにおけるテレビ・ディベートの開拓と終焉?-Firing Lineの遺産をめぐる再考― |
渡辺将人(113) |
ソーシャルメディアが変えるアメリカ政治:選挙と政策運営に注目して |
前嶋和弘(137) |
新聞4コマ漫画が描くアメリカ大統領 日本のマス・メディアに見るドナルド・トランプ像に関する一分析 |
水野剛也(159) |
自由論文 |
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「客間」と「書斎」-空間表象に見るエマソンの家政学 |
冨塚亮平(187) |
冷戦期アメリカの先住民政策と土地問題―インディアン請求委員会とウェスタン・ショショーニ |
内田綾子(209) |
書評 |
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Hideaki Kami著 『Diplomacy Meets Migration : U.S. Relations with Cuba during the Cold War』 |
上村直樹(231) |
第53回年次大会報告 |
-239 |
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第53号(2019年4月) 特集 ヨーロッパとアメリカ
2019.04.14 年報アメリカ研究
座談会 |
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「トランスジェンダーの現在」 |
(1) |
特集 「ヨーロッパとアメリカ」 |
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ジョン・アダムズの混合政体論における近世と近代 |
石川敬史(35) |
19世紀中葉のアメリカ合衆国におけるドイツ系移民再考―フォーティエイターズとターナーズを中心にー |
田中きく代(59) |
ヨーロッパを/から読み直すルイザ・メイ・オルコット |
田辺千景(77) |
ヨーロッパ知識人がみた知と権力―ハンス・J・モーゲンソーとスタンリー・ホフマンのアメリカ知識人批判― |
三牧聖子(99) |
ヘミングウェイとパリ前衛―建築的散文、空間芸術、間身体性― |
小笠原亜衣(119) |
アメリカによる西ヨーロッパ域内貿易の自由化政策と西ドイツの役割―西独・仏貿易協定(1950年)を中心にー |
河﨑信樹(147) |
自由論文 |
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産声を記録せよ:アメリカ合衆国における出生登録制度 |
大鳥由香子(168) |
冷戦政治文化の変容とイスラエル認識―1960年代後半から1970年前半における連邦議会の冷静改革はに着目して |
佐藤雅哉(191) |
書評 |
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笠井俊和著 『船乗りがつなぐ大西洋世界 英領植民地ボストンの船員と貿易の社会史』 |
橋川健竜(213) |
第52回年次大会報告 |
-219 |
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第52号(2018年5月) 特集 エリートの『知』 / 民衆の『知』
2018.05.14 年報アメリカ研究
座談会 |
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「トランプ政権下のアメリカ合衆国」 |
(1) |
特集 エリートの『知』 / 民衆の『知』 |
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ジェームズ・バーナム思想とトランプ現象 エリートと民衆の反動的交叉 |
会田弘継(41) |
ドナルド・トランプに先駆けた男 ―サミュエル・T・フランシスのペイリオ・コンサーヴァティズム― |
井上弘貴(63) |
「内なる反知性主義」 ―1968年コロンビア大学ストライキと知識人― |
梅崎透(87) |
1952年大統領選挙と政治コンサルタントの台頭 |
森山貴仁(111) |
自由論文 |
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「彼のためにろうそくを」 ―ヘンリー・ジェイムズ「死者たちの祭壇」におけるアメリカ金融資本主義、親密圏、許し― |
松浦恵美(135) |
包摂と分裂のカリキュラム ―-ニューヨーク州教育改革と多文化主義論争― |
南川文里(157) |
第一次大戦と語り手フレデリックの「学び」 ―『武器よさらば』に見る同盟・共闘 |
柳沢秀郎(179) |
書評 |
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小野沢透著『幻の同盟―冷戦初期アメリカの中東政策』 |
小濵祥子(201) |
第51回年次大会報告 |
-207 |
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第51号(2017年3月) 特集 ゆらぐアメリカの自画像
2017.03.14 年報アメリカ研究
特集 ゆらぐアメリカの自画像 |
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新大陸における「帝国」の残滓──1812年戦争期の「親英勢力」とアメリカの自画像── |
遠藤寛文(1) |
愛国心,男らしさ,米西戦争をめぐる黒人知識人の言説──サットン・E・グリッグスの描く国家/地域/自画像── |
奥田暁代(21) |
オバマ政権の介入政策における「アメリカ例外主義」──不安定な世界におけるアメリカの自画像の再構築── |
草野大希(45) |
「欧州国家」アメリカの自画像──冷戦終結期の米欧関係とG・H・W・ブッシュ外交の基調── |
志田淳二郎(67) |
「アメリカの過去」と歴史叙述のグローバル化──アメリカ史研究の現在── |
中野耕太郎(91) |
揺れ動くアメリカの市民像──リチャード・ホフスタッターとヘンリ・アダムズの歴史観をめぐって── |
中野博文(117) |
国民文学創生と文化的覇権闘争──セジウィックの 『リンウッド家』における建国の地政学── |
若林麻希子(139) |
自由論文 |
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愛国の響き──ティモシー・ドワイトの詩『グリーンフィールド・ヒル』(1794年) 第四部 「ピークォッド族の壊滅」を読む── |
小泉由美子(161) |
「イクメン」の誕生と新自由主義──20世紀後半アメリカにおける白人中流階級の父親の表象について── |
関口洋平(183) |
伝記テクストにおける女性市民の形成──セアラ・ヘイル 『女性の記録』 の家庭的歴史の語り── |
増田久美子(205) |
書評 |
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南修平著『アメリカを創る男たち──ニューヨーク建設労働者の生活世界と「愛国主義」』 |
横山良(229) |
第50回年次大会報告 |
-235 |
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