第46回年次大会 2012年6月2日~3日(名古屋大学)

第 46 回年次大会プログラム


1. 月 日
 2012 年 6 月 2 日(土) 6 月 3 日(日)
2. 場 所 名古屋大学東山キャンパス → 交通案内・構内図(pdf)
        〒464-8601 名古屋市千種区不老町
3. 受 付 6月2日・3日 全学教育棟本館1階ホール
4. プログラム (詳細は大会当日に受付で配付する「大会要項」に明記します) 大会ポスター(pdf)はこちらです
第1日  6 月 2 日 (土曜日)
自由論題
本年度より、自由論題の報告時間帯が変わります。A~Eそれぞれの会場において、まず、各報告者が20分ずつ連続して報告を行い、その後、すべての報告に対するコメントと質疑応答のセッションをまとめて行います。 「自由論題原稿はこちら」(原稿を読むにはパスワードの入力が必要です)
自由論題 A<アメリカ表象> [全学教育棟本館1階C13教室](9:30~12:00)  司会 中野聡(一橋大学) コメント 杉田米行(大阪大学) ・谷口真紀(関西学院大学(院)) 「満州事変後の新渡戸稲造のアメリカ講演:「太平洋の橋」として」 ・Pallavi Bhatte(京都大学(院)) "Revisiting India's Quest for Independence Through a Transatlantic Dialogue: The Indian Diaspora's Challenge to The Empire in the United States" ・田中真奈美(東京未来大学)   「アメリカでの長期海外生活がアイデンティティに与える影響の考察:アイデンティティアンケートの分析から」 ・小森真樹(東京大学(院))   「アメリカ合衆国における創造科学の博物館教育:ケンタッキー州ピーターズバーグCreation Museumの展示における娯楽性の考察」
自由論題 B <日系アメリカ人> [全学教育棟本館1階S11教室](9:30~12:00)  司会 武田興欣(青山学院大学) コメント 和泉真澄(同志社大学) ・星野統明(コーネル大学(院)) 「内乱の予兆:シブタニ・タモツの日系部隊研究について」 ・堀江里香(名古屋大学(院))  「「後藤濶」像変容のポリティクス:ハワイ官約移民の歴史的位置付けをめぐる一考察」 ・牧野理英(日本大学)      「Karen Tei Yamashitaの『オレンジ回帰線』における南米移民主体とそのポストコロニアル精神に対する批判」
自由論題 C <文学と映画> [全学教育棟本館1階C15教室](9:30~12:00)  司会 下河辺美知子(成蹊大学)  コメント 西谷拓哉(神戸大学) ・竹野富美子(名城大学(講))   「HawthorneとTransnational Imagination:博物館としての"The Virtuoso's Collection"」 ・福田敬子(青山学院大学)   「ヘンリー・ジェイムズとイザベラ・スチュワート・ガードナー:明治期の日米芸術交流がアメリカ文学に及ぼした影響についての一考察」 ・塚田幸光(関西学院大学)   「フリークス・アメリカ:ヘミングウェイ、ロン・チャニー、身体欠損」 ・川本 徹(日本学術振興会特別研究員)  「自然を見ることの政治学:『西部開拓史』、『2001年宇宙の旅』、モニュメント・バレー」
自由論題 D <革新主義> [全学教育棟本館1階S10教室](9:30~12:00)  司会 樋口映美(専修大学) コメント 松原宏之(横浜国立大学) ・上野継義(京都産業大学)    「「安全第一」運動における訪問看護婦協会の働き──「母性」思想の革新とその限界」 ・梅本和弘(京都大学(院))   「1910年代における衛生映画」 ・大鳥由香子(東京大学(院))  「ジェーン・アダムズの「平和」をめぐる思考と実践」 ・春田 素夫           「連邦準備銀行所在都市選定のロジック」
自由論題 E <自由と反共> [全学教育棟本館1階C14教室](9:30~12:00)  司会 大津留(北川)智恵子(関西大学) コメント 飯田 健(神戸大学) ・藤岡 真樹(京都大学(院))   「「大学」に見るアメリカ合衆国の反共主義の歴史的動態」 ・青砥 吉隆(国際基督教大学(院)) 「「自由という大義」におけるアメリカのリーダーシップとアポロ計画」 ・森山 貴仁(京都大学(院))   「ダイレクトメールの政治:リチャード・ヴィグリーと1960年代・1970年代の保守主義運動」
昼食休憩 (12:00~13:15)
理事・評議員会(12:05~13:05)  [全学教育棟本館1階S1X教室]
会長講演(13:15~14:50) [IB電子情報館2階大講義室]  司会 古矢 旬(北海商科大学) ・Priscilla Wald (ASA President, Duke University)  "Biophobia: Fear of Life in the Age of Biotechnology" ・紀平 英作(アメリカ学会会長、帝京大学)  "The Politicization of the Slavery Issue in the Early Republic"
清水博賞・齋藤眞賞 授賞式 (14 : 55~15 : 05) [IB電子情報館2階大講義室]
シンポジウム(15:10~17:40) [IB電子情報館2階大講義室] 「「米国衰退論」再考」 司会   西崎 文子(東京大学) 報告者 ・佐々木卓也(立教大学) 「アメリカ「衰退論」と外交論争」 ・佐藤 丙午(拓殖大学) 「軍事政策に見る米国衰退論への対処:「行動の自由」の希求に向けて」 ・河村 哲二(法政大学) 「グローバル資本主義化によるアメリカ経済の新たな発展構造とその限界:戦後パックス・アメリカーナの衰退と転換との視角から」 ・宇沢 美子(慶応大学) 「「嘘が真実を暴く」:大企業アメリカのグローバリゼーションをすっぱ抜くThe Yes Men の笑いの戦略」
懇親会 (18:00~20:00)[南部食堂1階 Mei-dining]
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第 2 日  6 月 3日 (日曜日)
部会 A 「連続企画 アメリカの教え方(大学院教育)」 [全学教育棟本館1階C13教室](9 : 30~12:00) 司会   大塚 寿郎(上智大学) 報告者  吉原 真里(ハワイ大学)   「アメリカの大学院におけるアメリカ研究の教え方」      矢口 祐人(東京大学)    「アメリカ研究を教える学部と大学院間の「ダイアローグ」を求めて」      細谷 正宏(同志社大学)   「アメリカ研究科からグローバル・スタディーズ研究科へ:同志社大学の20年(1991-2010)を振り返る」
部会 B「食と住の社会正義」 [全学教育棟本館1階C15教室](9 : 30~12:00) 司会   伊藤 詔子(広島大学(名)) 報告者  松永 京子(神戸市外国語大学) 「アグリビジネスへの抵抗:ルース・L・オゼキの小説にみるアグリカルチュラル・アクティヴィズム」      二村 太郎(同志社大学)     「ローカルフード運動がもたらす地域社会の変革と課題:誰のためのどのような「正義」なのか?」      宮田伊知郎(埼玉大学)      「ジョージア州アトランタの反都市開発運動における「公共」と「住環境」に関する一考察」 コメント 藤岡 伸子(名古屋工業大学)
Workshop A[Liberal Arts & Sciences Main Bldg. 1st Fl. Room S1X](9 : 30~12:00) "Comparative Empire and the Making of the Pacific World I: Ways of Encounters" Chair:       Satoshi Nakano (JAAS, Hitotsubashi University) Panelists:   Meg Wesling (ASA, University of California, San Diego) "When School Begins: Empire, Education, and Rights in the Philippines and Hawai'i"      Seongho Yoon (ASAK, Hanyang University) "'Being in a Place, Not Being There': Suburban Imaginaries, Encounters of the Pacific World in Chang-Rae Lee's A Gesture Life"      Taihei Okada (JAAS, Seikei University) "Competing Histories: History Education under U.S. Colonialism in the Philippines" Commentators: Sangjun Jeong (ASAK President, Seoul National University)        Catherine Ceniza Choy (OAH, UC Berkeley)
昼食休憩(12:00~13:30)
分科会(12:10~13:30)(分科会の内容については,以下をを参照)[全学教育棟本館1階各教室]
新理事会(12:10~13:20) [全学教育棟本館1階S10教室] 総会(13:30~14:00) [全学教育棟本館3階 S30教室] 部会 C 「左右の大衆運動」 [全学教育棟本館1階C13教室](14 : 10~16:40) 司会   渡辺  靖(慶応大学) 報告者  中野 博文(北九州市立大学)  「保守主義時代の政治運動:運動を支える危機意識の歴史的変容」      地主 敏樹(神戸大学)     「所得分配の変化と大衆運動」      前嶋 和弘(文教大学)      「変わるメディア、変わる大衆運動:ティーパーティ運動とウォール街占拠運動を例にとって」 コメント 細野 豊樹(共立女子大学)
部会 D「災害と表象」 [全学教育棟本館1階C15教室](14 : 10~16:40) 司会・コメント 新田 啓子(立教大学) 報告者   藤井  光(同志社大学)   「災害の「いま」をめぐって:物語・戦争・動物」       渡邉真理子(西九州大学)   「災害とサバイバル・ナラティブ:ゼロ年代を中心に」       生井 英考(立教大学)    「惨事のあと:社会的風景」
Workshop B[Liberal Arts & Sciences Main Bldg. 1st Fl. Room S1X](14 : 10~16:40) "Comparative Empire and the Making of the Pacific World II: Views from the Other Shore" Chair:     Yuka Tsuchiya (JAAS, Ehime University) Panelists:  Chia Youyee Vang (ASA, University of Wisconsin-Milwaukee) "Interpreting Empire from Below: Memory and Legacy of War from the Margin"      Kosuzu Abe (JAAS, University of the Ryukyus) "Tomodachi, Rape, Agreement and Denial: Hate Speech and the Making of the 'Asia-Pacific'"      Scott Laderman (OAH, University of Minnesota, Duluth) "Pacific Waves: Tourism, Surfing, and Empire in Nineteenth- and Twentieth-Century Hawai'i" Commentators: Priscilla Wald (ASA President, Duke University)        Danielle McGuire (OAH, Wayne State University)
5  1) 懇親会は事前の申し込みが必要です。 懇親会費 6,000 円は同封の払込用紙にて 5 月7日(月)までにご納入下さい (期日厳守)。払い込まれた懇親会費はいかなる 事情があってもお返しできませんので、 ご注意ください。  2) 年会費の当日払いは受け付けられませんのでご了承ください。  3) 非会員の大会参加費は 1,000 円です。 会場受付にてお支払いください。
6  1) 昼食:2日(土)は、大学構内の南部食堂1階 Mei-dining、北部食堂(北部厚生会館2階)で飲食できます。3日(日)は閉店していますので、大学周辺の飲食店を利用されるか、各自お弁当をご用意ください。学内や周辺にコンビニ(コピー機あり)もあります。会場ではなるべくゴミを出さないよう、ご協力をお願いいたします。  2) 名古屋大学では、指定喫煙場所以外は、禁煙となっています。
7 宿泊施設のご案内はとくに致しません。大会会場に一番近い繁華街は栄です。栄や名古屋駅周辺に多くのホテルがございます。
8.会場案内(6月2日(土)・3日 (日)共通) 受付          全学教育棟本館1階ホール 会員用休憩所      全学教育棟本館1階ホール横 書店等の出展           全学教育棟本館1階ホール 役員控室        全学教育棟本館1階C11 外国人ゲスト控室    全学教育棟本館1階C10 本部・スタッフ控室    全学教育棟本館1階C12
6月2日(土) 午前  自由論題 全学教育棟本館1階各教室 昼食時 理事・評議員会 全学教育棟本館1階S1X教室 午後  会長講演・授賞式・シンポジウム IB電子情報館2階大講義室 懇親会 南部食堂1階 Mei-dining
6月3日(日) 午前  部会及びワークショップ 全学教育棟本館1階各教室 昼食時 分科会 全学教育棟本館1階各教室     新理事会 全学教育棟本館1階S10教室     総会 全学教育棟本館3階 S30教室 午後  部会及びワークショップ 全学教育棟本館1階各教室

第46回年次大会 分科会(12:10~13:25)のご案内

(   )は責任者。会場はすべて1号館1階の教室です。
1.    アメリカ政治(平体由美(札幌学院大学))S12教室 テーマ:難民の受け入れと定着をめぐる確執 報 告:大津留(北川)智恵子(関西大学) 難民の受け入れは、人権を重視するアメリカにとって自らのアイデンティティを象徴する行為である。アメリカにとって負荷と見なされる非合法移民が排除される一方で、虐げられた人びとには門戸が開かれてきた。ところが、難民受け入れが外交政策の一環として連邦政府により決定される一方で、受け入れられた人びとを包摂していくのは個々のコミュニティの課題であり、そこでは理念と現実の間の確執が生じている。本報告は、難民、特にアメリカ外交の帰結として生じたイラク難民に焦点を当て、二次的移動により集住が加速するデトロイトなどの現地調査に基づいて行う。極めて政治的な背景を持ちながら、同時に普遍的な人道主義の側面をも持つイラク難民の受け入れに、現地コミュニティが道義的、政治的、戦略的な観点から取り組む現状を分析していく。激論が交わされている移民政策と通底する論点を導き出し、アメリカ社会の構成員の線引きという根幹に関わる議論の材料としていきたい。
2. 冷戦史研究(藤本 博(南山大学))S13教室 1)研究報告  テーマ:米国の親イスラエル政策の形成:ジョンソン政権の中東における冷戦戦略を中心に  報 告:富永枝里香(大阪大学(院)) 本報告では、米国のイスラエルへの経済、軍事、外交面での支援を拡大したジョンソン政権に注目し、第三次中東戦争最中に起こったリバティ号事件に対する対応およびイスラエルへのF-4ファントム戦闘機売却決定を対象に、米国がいつ、どのようにイスラエル寄りの中東政策を形成したかを明らかにする。
2)書評会 『冷戦:アメリカの民主主義的生活様式を守る戦い』(有斐閣、2011年) 著者:佐々木卓也(立教大学) 評者:菅 英輝(西南女学院大学) 本書は、「冷戦」に関して学術的議論をふまえながらコンパクトにまとめたもので、「冷戦」を米国外交の史的展開の中で位置づけるとともに、米国内の外交論ならびに米国の内政との相互作用との関連において論述している点に特徴がある。本分科会では、評者によるコメントをもとに、著者によるレスポンスを交えて「冷戦」把握をめぐる活発な議論を期待している。
3. 日米関係(浅野一弘(札幌大学))S14教室 テーマ:ABCC(原爆傷害調査委員会)と被曝線量推定方式 報 告:高橋博子(広島市立大学広島平和研究所) 討 論:清水隆雄(元国立国会図書館)  ABCC(原爆傷害調査委員会)は、広島・長崎での原爆による放射線の人体への長期的影響調査継続のため、1946年11月26日付けのトルーマンの承認によって設立された。ABCCは全米科学アカデミー・学術会議の管轄であったが、マンハッタン計画を引き次いで設立された米原子力委員会が研究資金を提供していた。一方日本側からは1947年から57年の間、多額の予算が厚生省予防衛生研究所から出されていた。ABCCは入市被曝者や黒い雨等、残留放射線の調査を行っており、また米原子力委員会は、世界に広がる放射性降下物の研究を行い、内部被爆資料を収集していた。しかしネヴァダ核実験と広島・長崎の情報から作られた被曝線量推定方式では、残留放射線や内部被曝の影響は反映されなかった。本報告では、原爆症認定集団訴訟や福島第一原発事故を通して浮き彫りになった内部被曝問題を軽視した日米共同研究の問題について歴史的に検証する。
4. 経済・経済史(名和洋人(名城大学))S15教室 テーマ: アメリカ洪水対策の転換:1928年洪水防御法の成立 報 告:伊澤正興(阪南大学)  1928年洪水防御法の成立はアメリカにおける洪水対策に決定的な変革をもたらした。なぜなら、同法の成立意義は、堤防建設と密接に結びついた土地開発から、放水路、貯水池、土壌保全、森林管理など多目的対策への転換点となったためである。このことは、洪水対策が州主体から連邦介入の拡大に対応しており、いわば、洪水対策の歴史は土地問題から憲法問題にいたるまで多岐にわたる。本報告では、湿地開発と洪水対策の関係史をたどるなかで、洪水防御法の成立意義について議論していく。
5. アジア系アメリカ研究(野崎京子(京都産業大学))S16教室  テーマ:1)日本人のアジア系アメリカ文学研究者として、アジアの学会で「戦争」について考える      2)「戦争記憶」を語る:加害者でなく、被害者でもなく 報 告 1)山本秀行(神戸大学) 「戦争記憶」をメインテーマにした、The Third International Conference on Asian British and Asian American Literaturesが、2011年12月9日~10日に台湾の中央研究院(Academia Sinica)において開催された。開催地台湾をはじめ、アメリカ、カナダ、イギリス及びアジア各国の総勢30人余りの研究者によって、「ヒロシマ・ナガサキ」「南京事件」「ヴェトナム戦争」「日系人強制収容」などのテーマの講演・セッションが行われ、聴衆を交えて熱論が交わされた。本分科会においては、その学会に発表者として参加した日本人研究者二名(山本、山口)が、アジアの学会で「戦争」について考えるさいにいかなる困難を感じ、そして、その経験によって何を得たかについて報告したい。 2)山口知子(関西学院大学(講)) 「戦争記憶」について議論する際、victim vs. victimizer という図式が浮かび上がるのは避けがたいが、二項対立図式に収束する議論は不毛である。より中立的立場で論を展開するため、本発表では日系アメリカ人の強制収容をめぐる記憶を考察の対象とし、戦争直後・リドレス期・9.11以後とそれが変化する過程を示す。戦争記憶もまた創造され変容するものであり、望ましい記憶共有のためには、被害者/加害者といった立場を超えた、より幅広い「私たち」の意識が必要であることを説く。
6. アメリカ女性史・ジェンダー研究(松原宏之(横浜国立大学))S17教室 テーマ:身体的障害と男性性の喪失:大量生産時代におけるピッツバーグの鉄鋼労働者を事例に 報告:畠山 望(東京大学(院)) 19世紀後半からの機械による大量生産の時代に入ると、アメリカの工業都市では仕事場での事故による怪我が深刻な問題となっていった。それ以前は、重労働の過程で身体的障害を負うことは労働経験の証として労働者間で称えられ、男性性の象徴として受容されていた。しかし、大量生産時代以降、機械事故によって障害を負った者は、社会や家庭において身体的、かつ金銭的な「重荷」と考えられるようになった。障害を負うことは、一面においては男性性の喪失と結び付けられるようになったのである。本報告では、ペンシルベニア州ピッツバーグ及びその周辺地域の鉄鋼労働者を事例として取り上げ、鉄鋼労働者の間でどのように身体的障害が男性性の喪失と結び付けられて語られたのかを、鉄鋼組合発行の新聞(The Amalgamated Journal)等を基に検証する。特に、事故が最も多かった1906年から、障害者に対する補償を義務化した「労働者補償法」(Workmen's Compensation Law)が成立する1910年代に注目して考察する。
7. アメリカ先住民研究(佐藤円(大妻女子大学))S18教室 テーマ: アメリカ先住民文化復興の現在:ラコタ・スー族の事例を中心に 報 告:阿部珠理(立教大学) 1960年代以降高まりを見せてきた先住民各部族の文化復興運動は、あきらかに時代の政治イニシアチブに触発され、アクティヴィズムと相補的に展開されてきた。その後1980年代以降のレッドパワームーブメント沈静化をへて、文化復興は今独自の運動としてどうような様相を呈しているのか。それは60年代に勃興した汎インディアンのベクトルで継続・拡大しているのか、あるいは部族回帰のベクトルを示しているのか。報告者は主に後者の傾向をラコタ・スー族社会における文化復興運動に認め、部族伝統、部族語、部族固有の儀式の再生・維持が部族生活のどのような場面で試みられ、またその担い手たちは、だれであるのかをフィールドワークを通して明らかにしたい。具体的には、ローズバッド・スー部族議会、部族大学、初等・中等教育機関の営為に光をあて、社会・経済開発までを射程におく彼らの活動を紹介したい。 
8. 初期アメリカ(橋川健竜(東京大学))S19教室 テーマ:独立期アメリカの理想的人間像:ペインとラッシュが描く独立論の一側面 報 告:高橋貴之(名古屋大学大学院修了) 近年、日本でも革命期・建国期の思想史研究が再び活発化し、若手研究者も意欲的な論考を発表している。本年はトマス・ペイン研究者である高橋貴之氏から、アメリカ独立戦争期のフィラデルフィアで活躍した社会思想家であるベンジャミン・ラッシュとトマス・ペインの描いたアメリカ独立論,女性論,教育論を通じて,アメリカという新たな社会の形成主体となる理想的な人間のあり方について報告をいただく。報告では、大森雄太郎『アメリカ革命とジョン・ロック』(2005年)や田中秀夫『アメリカ啓蒙の群像』(2012年)を踏まえつつ,ペインとラッシュがそれぞれの著作の中で描いた理想的なアメリカ人像を分析し,政治・経済・医療政策を以って,奴隷・女性・精神障害者といった人々を救済の対象としたラッシュと,すべての人々を社会の形成主体に包摂しようとしたペインの描く人間像の違いを示すことを予定している。会員諸氏の積極的参加を期待している。
9. 文化・芸術史(小林剛(関西大学))C14教室 テーマ:展示の政治学 報 告:1)丸山雄生(一橋大学(院))、2)横山佐紀(国立西洋美術館) コメント:江崎聡子(東京工業大学) ミュージアムにおける展示が、単なる既存の美意識や価値観を公衆に伝えるというよりも、多様なエージェントの関わりを通じてより能動的に文化的意味や権力関係を構築していくきわめて政治的なプロセスであることは近年とみに言われていることである。今回の分科会では、こうした観点から様々なミュージアム表象と展示の問題に迫っている若手研究者三名に報告とコメントを行ってもらいながら、「展示」という行為が持つ文化的機能について参加者間で活発な議論ができればと考えている。報告タイトルは、1)「博物館とスペクタクルな文化:アメリカ自然史博物館による動物映画の活用」(丸山)、2)「チャールズ・ウィルソン・ピールのミュージアムとアメリカ(仮題)」(横山)を予定している。